不同視
不同視とは
不同視とは、近視や遠視などで左右の目の度数差があることをいいます。片方の視力がもう片方の視力と大きく異なっているケースをいいます。
眼鏡を作るときにはレンズの度数を調べますが、数値表で「D(ディオプトリー)」となっている数値を左右のレンズで見比べ、2D以上差があると不同視とされます。この値が大きいほど不同視の程度も重いことになります。
凹凸のある眼鏡レンズは、レンズの中心部分(光心)で見るようにできており、中心を外れてものを見ると物が二重に見えますが、これを「プリズム作用」といいます。長期間この状態が続くと目が疲れますし、ひどくなると頭痛・肩こり、めまいなどの原因にもなります。さらにひどくなると心身症になるケースもあります。
このプリズム作用は、左右の目の度数が同じくらいであれば特に問題ありません。ただし、左右の度数に大きな差がある不同視では、左右の目で程度が異なるプリズム作用が生じます。これを「プリズム誤差」といいます。「プリズム誤差」が大きいと、疲れ目などの症状が通常よりも大きく出てしまいます。
さらに不同視では、両眼視という重要な目の機能が低下してしまいます。通常の場合、人は両目でものを見ることではっきり形を捉え、遠近感や立体感などを把握しています。しかし、不同視では視力の良い方の目を主に使って見るので、両眼視の機能が衰えてしまいます。その結果、斜位(片目でものを見るときだけ眼球偏位が出る)になることがあります。
また小さな子どもの場合、不同視に気づかず長期間放置してしまうと、視力が悪い方の目が使われなくなり不同視弱視(目には問題がないが視力が発達しない)になるケースもあります。
不同視の対策
不同視の治療としては、良い方の目をアイパッチで遮蔽し、視力が悪い方の目を使うようにする方法があります。矯正方法としては眼鏡とコンタクトレンズの2種類があり、症状によっては点眼薬が処方されることもあります。
矯正方法
眼鏡の場合
不同視の程度が比較的軽い場合には、眼鏡で矯正できます。
コンタクトレンズの場合
不同視の程度が強い場合には、眼鏡では視力を矯正できない場合があります。不同視が強い目に目とレンズが離れている眼鏡を使うと、光が目に届くまでに像のサイズが変わり、左右でちぐはぐに見えてしまうからです。この点、眼球に接して使用するコンタクトレンズなら、左右で同じように見ることができます。
両目をバランスよく使う
不同視は、片目だけを使う生活習慣が原因といわれています。姿勢が悪い、テレビなどを斜めから見る、寝転がって本を読んだりゲームをしたりするなど、気づかないうちに片目だけを多く使う生活をすると、左右の視力のバランスが崩れてきてしまうのです。ものを見るときはまっすぐ見られる姿勢を意識することが大事です。