円錐角膜を患っていらっしゃる方には是非お知らせしたい、メスもレーザーも必要ない、特殊レンズ。

円錐角膜。思春期から少しずつ角膜の一部が薄くなり、前に飛び出てくるために近視も乱視も強くなり、メガネでは視力が出にくくなる病気です。普通のソフトコンタクトだと、視力を上げる事はできないので通常はハードコンタクトを少しきつめにして装用したり、進行したら円錐角膜用のコンタクトに変更したりで対処します。
でも、さらに進んだ眼に小さなハードコンタクトをのせるのはバランスボールに膝立ちで乗るような物で、眼を動かすと外れる、飛んでいく。しかも痛い、違和感半端じゃ無いわ!

日本でも角膜を強くするために、瞳に色々とメスを入れたりレーザーしたり、様々な技術もありますね。
ただ、海外で数年前から定着しているのが強角膜レンズです。弱い角膜を無理に強くするのは、やはり感染のリスクや失敗した時にリカバリーが出来ませんが、変形した角膜(瞳)ではなく、強膜(白眼)ごとハードコンタクトでドームのように覆ってしまえ!という考えです。
一見乱暴な方法ですが、角膜に直接当たらないから痛くない、大きいからすぐ外れたりずれたりしない、角膜とレンズの間に涙を挟むため角膜も守ってくれ、レンズにより視力はしっかりでると、まさしく鉄壁のナイトになってくれます。あまり大きいと付け外しが大変だから、小さめ親切設計です。
しかし、がっぷり四つ、例えば格闘技とかレスリングやアメフトなどでは、流石にハードレンズは割れちゃう危険性ありますよね、
そんな人やどうしてもハードコンタクトが辛い人には、やはり数年前から海外でメジャーになってきた特殊な円錐角膜用のソフトコンタクトがあります。
普通のトーリックソフトコンタクトではなく、細かく歪んだところをオーダーで形を変えられる完全オーダーメイドのソフトコンタクトです。
円錐角膜の人は忍耐強い人が多いです。いかに今まで辛い事、不自由な事を我慢して、こんなものだから、と自分を納得させて生きてきたのかと思うと胸が締め付けられます。
軽い円錐角膜の方には不必要な情報ですが、
円錐角膜が進行して、痛くて辛いけどレンズ無しでは見えない、そんな矛盾を抱えている方には、是非使って頂きたい、そんなレンズのご紹介でした。
上記の特殊レンズは、八重洲さくら眼科で扱っております。予約制なので、八重洲さくら眼科でご相談いただければこちらで一緒に角膜以外に問題ないかも調べられる日で、予約をおとりします。

強角膜レンズも、特殊ソフトコントもオーダーメイドなので、一度でばっちり決まる人は少ないですし、何度か交換も必要になると思います。でも、最初は猫背でこちらを余り見てくれなかった患者さんが、笑顔が増えて、「見えますね、調子いいですよ」とニッコリこちらを見てくれる度に一方的に恋に落ちてます。

それとは別に、通常のコンタクトを雑に使って、トラブルを起こす患者さんを見る度に、せっかく良い角膜を持っているのに、どうして可愛がってあげないんだろうと、悲しくなります。
眼は2つしか無いです。怪我や病気で両方とも失う人も居ます。
どうぞみなさま、レンズを上手に飼い慣らして、自分に不利益がかからないようにお過ごしください。